「星月先生許可してくれたよ、よかったー!」

「………うん、よかったね」

「うん!」


星月先生から許可を得た後、私は食堂に戻ってみんなに報告をしに行った。
錫也も哉太くんもよかったな、と言って笑う。四季くんはふわりと微笑んで、頭を撫でてくれた。少し気持ちいい。

私は四季くんに撫でられながら、哉太くんに向き直る。
私は精一杯の笑顔で哉太くんにお礼を言う。



「哉太くん、ありがとうね、星月先生のことを教えてくれて!」

「お………おう」

「哉太、顔赤いよ?」

錫也がそういうと哉太くんはうるせぇ!と叫びながら後ろを向いた。あらら、拗ねちゃった。


「じゃあ、生徒会室に行って一樹兄のところに報告しに行かなきゃ!」


そういうと、その場にいた全員がえ?首を傾げた。
…え、何か変なこと言った?




「………一樹兄?」

「え、不知火先輩と親戚とか?」

「うん、従兄弟だけど?」

「「………………は?」」


わお、見事なハモリっぷり。




10=従兄弟と副会長




なぜか唖然とする二人と四季くんにじゃあ行ってくるねーと言うと四季くんだけがいってらっしゃい、と見送ってくれた。

るんるんと上機嫌に廊下をスキップしながら通る。
目指すは一樹兄のいる生徒会室。



「久しぶりだなあ、一樹兄に会うのは」


最後に会ったのは入学式前の電話で………

「あ、」



途中でスキップを止めて立ち止まる。
そうだ、入学式前のあの電話で一樹兄を恨んでいたのを忘れかけていた!


「やばいやばい…」


気を取り直して生徒会室に向かおうと歩き出す。
…拳は密かに握りしめながら。


*


「ここか、生徒会室…」


敵(一樹兄)がいるであろう生徒会室のドアの前に立ち、ドアを睨みつけた。

恐る恐るドアをノックすると、中から入っていいぞー、の間の延びた声がした。
間違いなく一樹兄の声だ。



「失礼しまーす」

「………眞緒!」



中に入ると、入ってすぐ目の前に一樹兄が座っていた。
こちらが私だと知った瞬間に一樹兄の瞳が輝く。

つかつかと一樹兄の元に歩み寄った。



「久しぶりだなゴブッ!」


そしてラリアットをかました。ちなみに手加減は全くしていない。…恨みが晴らされてちょっとすっきりした。



「入学式の電話以来だねえ一樹兄?」

「………っ、お前まだそのことを恨んで……!」

「根に持つタイプだからね」

「ってぇ…、なぜラリアット………?」

「詳しくは連載3話を見てください!」

「……誰に話してるんだ?」

「もちろん乙女の秘密です」

「はぁ?」



一樹兄が首を傾げるのを無視しながら、もう一度ラリアットしようかな、と思っていたら、生徒会室の扉がもう一度開いた。
扉の向こうには、見覚えのある桜のようなピンク色の髪色の男の子がいた。

……こ、この人はもしや。




「颯斗くん……?」

「え、眞緒さん……?どうしてここに……?」


入学式以来会っていなかった颯斗くんがいました。
…じゃなくて、いやいやいや、こっちの台詞だよ、なにゆえ颯斗くんがここに?

お互い何も出来ずに呆然としていると、一樹兄が間に入った。颯斗くんを指差して私に紹介する。



「眞緒、颯斗は生徒副会長で俺の補佐だ」

「ええっ!?颯斗くんいつの間に副会長になったの!?」

「ちなみに書記は月子が務めていまぞ」


月子ちゃんも!?
うそっ、聞いてないよ……

色々とショックを受けながらうなだれているのを無視して、一樹兄は颯斗くんに私を紹介する。


「んで颯斗、こいつは俺の従兄弟だ」

「え!?」

「どうもー」


颯斗くんはそれを聞いて一瞬びっくりしたような顔をしたけど、すぐに納得したらしくて頷いていた。
いやいや、納得しないで…






「そうだ、そういえば用件はなんだ?」

「あ、そうだ。……部活を創設したいんです!」


「「……………は?」」



わお、見事なハモリっぷり。

…あれ、これ何、デジャヴ?





(……いきなりだな……何部だ?)
(え、料理部だよ)
(はあ……お前らしいな、色々な意味で…)
((従兄弟なだけあって、会長にそっくりだ…))




(20110523)







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