リクエストF
(ゆめをみた。)
(3人でお買い物)
(紺屋様、暁様リクエスト)
ある、休日の昼時。
真央、悠斗、美馬は学園外に出て、街に降りてきていた。学園から最寄りの街に出るにはバスで一時間はかかるため、ただの休日に街に降りる生徒は少ない。だいたいの物は学園内のショッピングセンターで事足りるので、降りる必要もあまりないのだ。
しかし、真央にはその事情はあまり当てはまらない。真央が必要なものは、悠斗が着る子ども服だ。学生向けのショッピングセンターに、さすがにそれは置いていない。だから、季節の変わり目には必ず街に降りて服を買う必要がある。
今日は、悠斗の希望により美馬もついてきた。悠斗と真央に甘い美馬は面倒臭がることなく、悠斗の望みを聞き入れ、三人揃っての買い物となったのである。
「うわー、またサイズ大きくなった。成長してるねー、ゆん」
「ゆん大きくなったー」
子ども服専門店で、楽しそうに服を選ぶ真央と悠斗。以前まで着られていたサイズが今では小さい。そんな些細な変化に、悠斗の成長を改めて見て、真央は感慨深い思いだ。
「ゆん、ズボンこれとかどうだ」
「あ、ゆんそれ好きー!」
店内でズボンを選びに行っていた美馬が戻ってきた。その手には、オシャレなデザインのズボンが数本あり、悠斗は嬉しそうに笑う。オシャレ第一の年頃である真央と生活しているせいか、悠斗もオシャレを気にかけているのだ。
ひとまずその中から二本選び、悠斗は試着室に入った。その外で、真央と美馬はワクワクと待つ。
「にあうー?」
「スキニー可愛い!」
「カーゴも似合いそうだよな」
やがて試着室のカーテンを開けた悠斗は、濃紺のスキニーをしっかりと履きこなしていた。真央は大興奮だ。美馬も満足そうに頷いている。
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