days to spin−白い糸と赤い糸− | ナノ
-blue sky,blue sea- 10  [ 62/66 ]


ゆっくりと海沿いの道を歩きながら、二人は横目に店を眺める。


「気になる店があったら遠慮なく言えよ」

「はい。ダンテさんも行きたいお店があったら言ってくださいね」

「ああ。…お」


何か気になる店があったのか、ダンテが足を止める。合わせて足を止めたリアラがダンテの視線の先を追うと、革製品を扱う店があった。


「気になるんですか?」

「ん?ああ、普段からコートやらブーツやら革のやつを身につけてるからな、自然と目がいっちまうんだ」

「そういえばそうでしたね…。せっかくですし、お店の中に入ってみませんか?」

「いいのか?」

「はい、いつも私の行きたい場所についてきてもらってますし。ダンテさんが行きたいなら行きましょう。もしかしたら、ダンテさんの欲しいと思う物があるかもしれません」


ね?と首を傾げて促す彼女が愛らしい。自分のことを思ってそうしているとわかっていればなおさら。緩やかに目を細め、ダンテは頷く。


「そうだな、せっかくだから入ってみるか」

「はい」


笑顔で頷くリアラを連れて、ダンテは店の中に入る。
店の中はキーケースや名刺入れの小物から鞄、靴まで様々な種類の革製品が並べられていた。


「結構幅広く扱ってるんだな」

「そうですね。ダンテさん、時間を気にせず好きな物を見てきてください、私もいろいろと見て回っていますから」

「じゃあ、お言葉に甘えてそうさせてもらうとするか」

「はい、どうぞ」


軽く手を振り、ダンテは一旦リアラから離れ、自分の見たいところへと歩き出す。それを見送り、リアラも店内を歩き出す。

  
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