days to spin−白い糸と赤い糸− | ナノ
-blue sky,blue sea- 9  [ 61/66 ]


「あの水族館、結構楽しめたな。何より、リアラが楽しめたみたいでよかった」

「はい、とても楽しかったです。連れてきてくださってありがとうございます、ダンテさん」

「礼を言われる程のことじゃないが、そう言ってもらえると連れてきた甲斐があるな」


海を眺めながら、二人は会話を楽しむ。
水族館を出た後、時間もちょうどいい頃合だったため、二人は昼食を取ろうとレストランを探したのだが、どこもかしこも観光客でいっぱいでなかなか店が決まらず、昼食を買って外で食べようというリアラの提案で砂浜にあったベンチに座って昼食を取るところだった。昼食に買ったフィッシュサンドを口にし、お、とダンテは声を上げる。


「このフィッシュサンド美味いな」

「あのお店で買ってよかったですね。…うん、美味しい」

「リアラのはスモークサーモンとクリームチーズが入ったやつだったか。そっちも美味そうだな」

「…食べます?」

「じゃあ、遠慮なく。リアラも食べるか?」

「…じゃあ、頂きます」


お互いに食べていたサンドイッチを交換し、ダンテは大きく口を開けて、リアラは控えめに小さく口を開けてサンドイッチを食べる。


「ん、こっちも美味いな」

「こっちのフィッシュサンドも美味しいですね。今度、作ってみようかな…」

「お、いいな。楽しみにしてるぜ」

「はい」


子供のような笑顔を見せるダンテに、リアラも笑顔で頷く。


「さて…昼飯も食べ終わったし、今度はどこに行く?」

「そうですね…いろんなお店を見て回ってみましょうか。道沿いにたくさんお店がありますし、食べ物以外にもアクセサリーや雑貨とか、いろんなお店があるようですから」

「いいな。散歩がてら、ゆっくり見て回るか」

「はい」


ダンテはベンチから立ち上がると、リアラに左手を差し出す。


「じゃあ行くか、お姫様?」

「…はい」


今日だけは何も言わずに素直に好意を受け取ろう、そう思い、リアラは差し出された手に自分の手を重ねた。

  
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