days to spin−白い糸と赤い糸− | ナノ
-cold and feel lonely‐ 2  [ 44/66 ]


「んー、買い過ぎちゃったかな…」


事務所への帰り道を歩きながらリアラは呟く。昼食と夕食の材料を買うだけのはずが予備の日用品まで買ってしまい、右手には紙袋一つ、左手にはビニール袋を二つと持ち運ぶには少し辛い量になってしまった。


(いつもならこんなに一気に買わないんだけど…最近、仕事が続けてあったから、買う時間がなかったしな…)


このところ珍しく依頼が立て込んで二人で手分けしてこなさなければならなかったため、買い物は必要最低限で済ませていた。もちろん、回数も控えた上で。だが、そのツケが今回ってくるとは。いつもは時間あったんだな、と今更ながらに思いながら、リアラは事務所の扉を開けた。


「ただいま帰りました」


中に声を掛けると、ソファに座っていたケルベロスがトテトテと近寄ってきた。


『主か、買い出し御苦労』

「ケル、起きてたの?」

『つい先程な。それにしても…すごい量だな』

「最近忙しくて買い物に行く時間がなかったからね、つい…」


リアラの両手にある荷物を見やり、呆れたように呟くケルベロスに、リアラは苦笑する。


「荷物を片付けて、すぐにお昼ご飯の準備するね」

『何か手伝うことはあるか?』

「んー…じゃあ、この日用品の入った袋をバスルームに持っていってもらってもいいかな?後で私が整理しておくから」

『了解した』

「ありがとう、お願いね」


リアラが屈んで袋を差し出すと、持ち手を口に咥え、ケルベロスはバスルームへと向かう。それを見送って、リアラはキッチンに向かった。

  
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