-young lady and guard‐ 18
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「お疲れさん」
仕事を終え、ドレスの埃を払うリアラに双子銃を仕舞ったダンテが近づく。
「今回、俺は必要なかったかな」
「そんなことないです。ダンテさん、怪我とかしてませんか?」
「この通り、どこも怪我はしてないぜ。お前は大丈夫か?」
「はい」
「そうか、よかった」
優しく頭を撫でる温かな手に、リアラは柔らかな笑みを浮かべる。離れかけたダンテの手を掴み、リアラは顔を寄せる。
「よかった、ダンテさんが無事で…。ダンテさんの隣から悪魔の気配を感じた時は、心配でたまらなくって…」
「リアラ…」
その言葉から伝わる優しさに、ダンテはふ、と笑みを零す。
「本当、お前は…」
「?…っ!」
不思議そうに首を傾げたリアラに、影が覆い被さる。チュッ、と音を立てて唇を離したダンテは、楽しそうに笑いながらリアラへ手を差し出す。
「仕事も終わったし、屋敷に戻ってゆっくりするか」
「もう…」
恥ずかしさに頬を赤く染めながらも、リアラは差し出された手に自分の手を重ねる。
ゆっくりとした足取りで、二人はその場を後にした。