days to spin−白い糸と赤い糸− | ナノ
-young lady and guard‐ 4  [ 26/66 ]


「…したんだ」

「え?」

「嫉妬したんだ。お前が楽しそうに話してるから、ロイって奴はそんなに親しい間柄なのか、って気になって、リアラは俺の恋人なのに、って思って…少し、妬いた」


予想もしなかった言葉に、リアラは目を見開く。まさか、ダンテがそんなことを思っていたなんて。けれど、それと同時にじわじわと嬉しさがこみ上げてきて。


「…ふふっ」

「?」

「ごめんなさい、つい…。嫉妬したってことは、それだけ私のことを想ってくれてるってことですよね?」


嬉しいです、そう言ったリアラに今度はダンテが目を見開く。


「…ガキくさいと思わないのか?」

「全然思いませんよ」

「…また、同じことで嫉妬するかもしれないぞ?」

「構いませんよ。これくらいならかわいいものです」

「…お前には負けたよ」


ふ、と笑みを零すと、ダンテはリアラの額に口づけを落とす。柔らかな笑顔でそれを受け入れると、リアラは両手を伸ばしてダンテに抱きつく。彼の耳に顔を寄せると、柔らかな声音で告げる。


「確かにロイは昔馴染みで親しいですけど、こうやって甘えたくなるのも、好きだって言いたいのも、ダンテさんだけですから」

「…ああ。俺もだよ」


気持ちを伝えるように、ダンテは抱きしめる腕に力を込める。お互いの体温が伝わって、気持ちまで温かくなる。


「せっかく来た依頼ですし、がんばりましょうね」

「…ん。けど、とりあえず今日はゆっくりしてえな」

「ふふ、そうですね。ちょうどいい時間ですし、お菓子でも作りましょうか」

「ストサンがいい」

「はいはい、わかりました」


即座に好物を挙げる恋人に笑みを漏らしつつ、リアラは頷いた。

  
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