-young lady and guard‐ 4
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「…したんだ」
「え?」
「嫉妬したんだ。お前が楽しそうに話してるから、ロイって奴はそんなに親しい間柄なのか、って気になって、リアラは俺の恋人なのに、って思って…少し、妬いた」
予想もしなかった言葉に、リアラは目を見開く。まさか、ダンテがそんなことを思っていたなんて。けれど、それと同時にじわじわと嬉しさがこみ上げてきて。
「…ふふっ」
「?」
「ごめんなさい、つい…。嫉妬したってことは、それだけ私のことを想ってくれてるってことですよね?」
嬉しいです、そう言ったリアラに今度はダンテが目を見開く。
「…ガキくさいと思わないのか?」
「全然思いませんよ」
「…また、同じことで嫉妬するかもしれないぞ?」
「構いませんよ。これくらいならかわいいものです」
「…お前には負けたよ」
ふ、と笑みを零すと、ダンテはリアラの額に口づけを落とす。柔らかな笑顔でそれを受け入れると、リアラは両手を伸ばしてダンテに抱きつく。彼の耳に顔を寄せると、柔らかな声音で告げる。
「確かにロイは昔馴染みで親しいですけど、こうやって甘えたくなるのも、好きだって言いたいのも、ダンテさんだけですから」
「…ああ。俺もだよ」
気持ちを伝えるように、ダンテは抱きしめる腕に力を込める。お互いの体温が伝わって、気持ちまで温かくなる。
「せっかく来た依頼ですし、がんばりましょうね」
「…ん。けど、とりあえず今日はゆっくりしてえな」
「ふふ、そうですね。ちょうどいい時間ですし、お菓子でも作りましょうか」
「ストサンがいい」
「はいはい、わかりました」
即座に好物を挙げる恋人に笑みを漏らしつつ、リアラは頷いた。