days to spin−白い糸と赤い糸− | ナノ
-young lady and guard‐ 2  [ 24/66 ]


「依頼?ダンテさんと二人で?」


どうやら依頼を頼まれたらしい。一度受話器から顔を離すと、リアラはこちらを振り向く。


「ダンテさん、ロイが二人でやってほしい依頼があるって言ってるんですけど…」

「二人で?俺とリアラでか?」

「はい。二人の方が都合がいいから、って…」

「ふーん…。リアラがいいなら俺は構わないぞ」

「本当ですか?ありがとうございます、じゃあ、このまま受けますね」


再び受話器を耳に当てると、リアラは依頼を受ける意を伝える。


「うん、うん…明後日、商店街の喫茶店で打ち合わせね、わかった。じゃあ、また」


何度か頷くと話を終えたのか、受話器を元の位置に戻すとリアラがこちらを振り返った。


「依頼の打ち合わせをしたいから、明後日、商店街の喫茶店に来てほしいそうです。よろしくお願いしますね」

「ああ」


いつも通りに頷いたはずなのだが、リアラは心配そうな顔をしてこちらに近寄ってきた。


「ダンテさん、何かありましたか?」

「?特に何もないが…どうかしたか?」

「…さっき、依頼の話をしようと振り返った時、怒ったような顔をしてたから…」


どうやら彼女は自分の変化に目敏く気づいたらしい。人の変化に敏いのも困り物だな、ガシガシと頭を掻きながら、ダンテは言い辛そうに口を開く。


「あー…電話してるのを見てて、ロイってやつとだいぶ親しいんだなと思ってな。タメ口だったし…」

「ああ…。最初は敬語だったんですけど、ロイが敬語は止めてくれって言ったので…歳も近いし…」


何か思うところがあったのか、ためらいながらリアラは尋ねる。


「あの…敬語、止めた方がいいですか…?」

「?何でだ?」

「自分には敬語なのに、他の男の人には敬語なしで話してるから…気にしてるのかな、って思って…」


どうやら勘違いをしているらしく、彼女は自分の話し方に問題があると思っているようだ。視線を落としてしまったリアラに、ダンテは優しく声をかける。

  
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