-young lady and guard‐ 2
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「依頼?ダンテさんと二人で?」
どうやら依頼を頼まれたらしい。一度受話器から顔を離すと、リアラはこちらを振り向く。
「ダンテさん、ロイが二人でやってほしい依頼があるって言ってるんですけど…」
「二人で?俺とリアラでか?」
「はい。二人の方が都合がいいから、って…」
「ふーん…。リアラがいいなら俺は構わないぞ」
「本当ですか?ありがとうございます、じゃあ、このまま受けますね」
再び受話器を耳に当てると、リアラは依頼を受ける意を伝える。
「うん、うん…明後日、商店街の喫茶店で打ち合わせね、わかった。じゃあ、また」
何度か頷くと話を終えたのか、受話器を元の位置に戻すとリアラがこちらを振り返った。
「依頼の打ち合わせをしたいから、明後日、商店街の喫茶店に来てほしいそうです。よろしくお願いしますね」
「ああ」
いつも通りに頷いたはずなのだが、リアラは心配そうな顔をしてこちらに近寄ってきた。
「ダンテさん、何かありましたか?」
「?特に何もないが…どうかしたか?」
「…さっき、依頼の話をしようと振り返った時、怒ったような顔をしてたから…」
どうやら彼女は自分の変化に目敏く気づいたらしい。人の変化に敏いのも困り物だな、ガシガシと頭を掻きながら、ダンテは言い辛そうに口を開く。
「あー…電話してるのを見てて、ロイってやつとだいぶ親しいんだなと思ってな。タメ口だったし…」
「ああ…。最初は敬語だったんですけど、ロイが敬語は止めてくれって言ったので…歳も近いし…」
何か思うところがあったのか、ためらいながらリアラは尋ねる。
「あの…敬語、止めた方がいいですか…?」
「?何でだ?」
「自分には敬語なのに、他の男の人には敬語なしで話してるから…気にしてるのかな、って思って…」
どうやら勘違いをしているらしく、彼女は自分の話し方に問題があると思っているようだ。視線を落としてしまったリアラに、ダンテは優しく声をかける。