days to spin−白い糸と赤い糸− | ナノ
-young lady and guard‐ 1  [ 23/66 ]


梅雨も明け、徐々に暑さを増してきた昼下がり。お決まりの指定席で足を組み、雑誌を読んでいたダンテは鳴り響いた電話の音に片足を上げ、机を蹴り上げた衝撃で浮き上がった受話器をキャッチし、お決まりの言葉を口にする。


「DevilMayCry?」

『おお、本当に繋がった!いやー、やっと見つけたぜ』


依頼を頼むにしては明るい声に、ダンテは訝しげに眉根を寄せる。


「何の用だ。冷やかしなら切るぞ」

『ああ、待ってくれ!はしゃいじまってすまなかった、俺は情報屋のロイってんだ、リアラから話は聞いてないか?』

「リアラから?」


唐突に出た恋人の名前に、ダンテは首を傾げる。情報屋でリアラを知っているということは、悪魔専門の情報屋ということか。そういえば、リアラが知り合いの情報屋がいると言っていた気がする。


「ちょっと待ってろ、リアラに確認してくる」

『ああ』


気分を損ねることもなく頷いた男の声に手で受話器を抑え、ダンテは二階にいるリアラを呼ぶ。


「リアラ!ちょっといいか!」

「はーい!ちょっと待っててくださいね!」


すぐに返事が返ってきて、ぱたぱたと軽い駆け足と共に洗濯籠を持ったリアラが階段を下りてきた。


「どうかしましたか、ダンテさん?」

「ああ、今電話が来たんだが、情報屋のロイって知ってるか?」

「ロイ?ロイからですか?」

「知ってるのか?」

「ええ、私がデビルハンターを始めた頃からの知り合いです。いろいろと仕事を紹介してくれて、とても助かってるんです」


代わってもらってもいいですか?と言うリアラに頷き、ダンテは受話器を彼女に手渡す。


「もしもし、ロイ?久しぶりね!どうやってここがわかったの?…うん、うん、そうなんだ」


懐かしそうに、どこか楽しそうに話すリアラに、ダンテは面白くないと言わんばかりの顔で頬杖をつく。


(あんな笑顔で、タメ口で…)


俺の恋人なのに、とちょっとした嫉妬から独占欲が顔を覗かせる。
ふいに、リアラが首を傾げた。

  
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