days to spin−白い糸と赤い糸− | ナノ
-how to choose gift‐ 10  [ 22/66 ]


「…昨日、考えてたんです。私が女の子らしい服を着ないわけ。…10歳で鍛錬を始めた時からズボンばっかり履いてて、それからずっと、女の子らしい服装をしてなかったんです。…戦うことしか考えてなかったから」

「……」

「でも、ここに来てから、ダンテさんと過ごすようになってから、少しずつ心に余裕ができて…服装に気を向けるようになって、おしゃれ、って言っていいかわからないですけど、おしゃれをするようになって…少しは女の子らしいことをしてるのかな、って」

「…リアラ…」

「…だから、すごく感謝してるんです。…ありがとうございます、ダンテさん」


花が綻ぶようにふわりと笑うリアラに、ダンテは息を飲む。ああ、なんて美しいんだろう。


「…ったく、お前は…」

「ふにゃ!?」


苦笑して再び肩に顔を埋めたダンテに首を傾げたリアラは、首筋に感じた柔らかな感触に短く悲鳴を上げる。チュッ、と小さく音を立てて首筋から顔を離したダンテは、次いで彼女の唇に自分の唇を重ねる。


「…礼を言うのは、俺の方だ。お前がいてくれるおかげで、こうした些細なことでも幸せだと思える、幸せだと感じられる。…ありがとう、リアラ」

「ダンテさん…」


好きな人の笑顔に、言葉に、心が満たされていく。離れる唇に今度は自分から唇を重ねて、リアラは申し訳なさそうに苦笑する。


「ごめんなさい、この服を見せるために着替えてすぐ来たので、まだ朝ご飯ができてなくって…今から作りますね」

「いや…せっかくだ、たまには外で食おうぜ」

「ふふ、それもいいですね。あのお店に行きましょうか、カフェラテがおいしかった…」

「ああ、あそこか。いいな」


お互いに笑いあうと、自分の身を起こしてからダンテはリアラの手を引いて彼女を起こしてやる。そして再び彼女の姿を見ると口を開く。


「そのワンピース、座ると裾が花の形になるんだ。お前は花が好きだからぴったりだと思ってな」

「ダンテさん…」


ちょっとした心遣いにさえ嬉しさを感じて、リアラは目を細める。


「ありがとうございます」

「大したことじゃないさ。さ、さっさと用意して行くか」

「はい」


立ち上がりこちらに手を差し出すダンテに笑顔で頷き、リアラはその手に自分の手を重ねた。



***
2015.05.24

  
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