-how to choose gift‐ 9
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「…ん…ダンテさん…」
「…ん…」
自分を呼ぶ声に、ダンテはのろのろと目を開く。カーテンの隙間から射し込む光に、ああもう朝かとぼんやり考える。
「おはようございます、ダンテさん」
「…ああ、」
おはよう、そう続けようとしたダンテは、振り返った先にいたリアラの姿に目を見開く。
「リアラ、それ…」
「…似合ってますか?」
前屈みで自分を見つめ、微笑むリアラは白いワンピースを着ていた。微かに射し込む朝日が彼女を柔らかく照らし、その姿を美しく見せる。
はにかみながら、リアラは続ける。
「これ、ダンテさんが買ってくれたんですよね?」
ありがとうございます、そう続くはずだった言葉は音にならなかった。気づいた時には天井を見上げていて、ベッドに組み敷かれる形になっていたから。
両脇に手をついて自分を見下ろしているダンテに、リアラは顔を真っ赤に染める。
「あ、あの、ダンテさん!?」
「………」
ずっと無言で自分を見つめるダンテに恐怖を感じてリアラがぎゅっと目を瞑ったその時、ゆっくりとダンテが口を開いた。
「…似合ってる」
「…え?」
その言葉におそるおそるリアラが目を開けると、ダンテが惚けるような笑みを浮かべて自分を見つめていた。
「これもだめだったらどうしようかと思ってたが…まさか、自分から見せに来てくれるなんてな…」
「ダンテさん…」
「あー…だめだ、顔がにやけて仕方ねえ…」
嬉しくも恥ずかしさに火照る顔を見られまいと、ダンテはリアラの肩に顔を埋める。肩ごしに伝わる体温にリアラは頬を染めつつも、今の気持ちを言葉にするために口を開いた。