-how to choose gift‐ 8
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「あれ?」
リアラが見つけたのは、小さなテーブルの上に置いてある紙袋。ここには何も置いてないはずだけど、そう思いながらリアラはそれを手に取る。
薄暗くてよく見えなかったため、ベッド脇の小さな棚に置かれたランプを灯す。明かりに照らされた紙袋を見て、リアラはあることに気がつく。
(これ、初めてダンテさんと一緒に出かけた時に行ったお店の…)
紙袋に書かれたロゴは、あの日初めてダンテと一緒に出かけた時に服を買った店のもの。そこまで考えて、リアラは夕方の出来事を思い出す。
(そういえば、ダンテさんあの時「荷物がある」って…)
夕食の前、事務所に戻ってきたダンテは荷物を置いてくると行って二階へ上がっていった。もしかしてあの時…?
リアラは紙袋の口を開き、中を覗き込む。中には服が入っていて、リアラはそれを取り出し、ゆっくりと広げる。
「…!」
目の前に現れたそれに、リアラは目を見開く。そしてそれを両腕でぎゅっと抱きしめると、震える声でその名を呼んだ。
「ダンテさん…」