-how to choose gift‐ 6
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夕方に出たため外はすでに暗く、街灯の明かりだけが仄かに周りを照らしている。もう少し早く帰ってきた方がよかったかもしれない、なんて思いながらダンテは事務所の扉を開けた。
「ただいま」
「おかえりなさい、ダンテさん」
扉の開く音に顔を上げたリアラはほっとした表情でこちらに駆け寄る。服はいつもの普段着に変わっていて、自分に気を遣って着替えてくれたのだとわかる。
「心配させてごめんな」
「いいえ。その、私こそごめんなさい…」
「リアラが謝る必要なんかないだろ?あれは俺が悪かったと思ってる」
「でも…」
「いいから、気にするな。な?」
なお続けようとするリアラの言葉を遮り、ダンテは彼女の頭にポン、と手を置く。申し訳なさそうに視線を下げ、リアラは小さく頷く。
「…うん」
「いい子だ」
彼女の頭を優しく撫でてやると、ダンテは二階に続く階段へと向かう。
「荷物があるから、部屋に置いてくる。ちょっと待っててくれな」
「はい」
にっこりと笑って階段を上がっていくダンテを見つめた後、夕食の準備をするためにリアラは踵を返した。