-how to choose gift‐ 5
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よくリアラと買い物にくる通りを歩きながら、ダンテはため息をつく。
「……はぁ」
何でこんなことをしてしまったんだか。そんな思いがダンテの頭の中を占める。
別に、怒っているわけではない。あのワンピースは自分でも失敗したなと思っているし、今度はリアラの好みを考えて買おうと思っていたから。ただ、レディとトリッシュが買ったというワンピースを着た彼女の姿を見て、自分の買った服を着てもらえなかったことに少し寂しさを感じて。何ともいえない気持ちになって、こうして事務所を出てきてしまったのだ。
(…ガキか、俺は)
子供が駄々をこねているようで、情けなくてため息が出てくる。ガシガシと頭を掻いて顔を上げたダンテは、見上げた先にあったものに目を留める。
(あれは…)
ダンテの目に映ったのは、初めてリアラと買い物に出かけた時に立ち寄った服屋だった。ダンテは店へと歩みを進め、立ち止まる。
夏が近いためか、店内の装飾も商品も様変わりしている。楽しそうに服を選ぶ女性客達を見ていたダンテは、ふいに視線を映した先、ショーウインドウに展示されていた服に目を留める。
「………」
顎に手を当て、何かを考えるようにそれを見つめる。そして何かを決心したのか、ダンテは迷わずその店に入った。