days to spin−白い糸と赤い糸− | ナノ
-how to choose gift‐ 5  [ 17/66 ]


よくリアラと買い物にくる通りを歩きながら、ダンテはため息をつく。


「……はぁ」


何でこんなことをしてしまったんだか。そんな思いがダンテの頭の中を占める。
別に、怒っているわけではない。あのワンピースは自分でも失敗したなと思っているし、今度はリアラの好みを考えて買おうと思っていたから。ただ、レディとトリッシュが買ったというワンピースを着た彼女の姿を見て、自分の買った服を着てもらえなかったことに少し寂しさを感じて。何ともいえない気持ちになって、こうして事務所を出てきてしまったのだ。


(…ガキか、俺は)


子供が駄々をこねているようで、情けなくてため息が出てくる。ガシガシと頭を掻いて顔を上げたダンテは、見上げた先にあったものに目を留める。


(あれは…)


ダンテの目に映ったのは、初めてリアラと買い物に出かけた時に立ち寄った服屋だった。ダンテは店へと歩みを進め、立ち止まる。
夏が近いためか、店内の装飾も商品も様変わりしている。楽しそうに服を選ぶ女性客達を見ていたダンテは、ふいに視線を映した先、ショーウインドウに展示されていた服に目を留める。


「………」


顎に手を当て、何かを考えるようにそれを見つめる。そして何かを決心したのか、ダンテは迷わずその店に入った。

  
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