-how to choose gift‐ 4
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椅子に腰掛け、いつものように惰眠を貪っていたダンテは、扉の開く音に顔に乗せていた雑誌を持ち上げる。
「戻ったわよ」
「レディか。悪いな、わざわざリアラを連れ出してもらって」
「別にいいわよ、私もあの子と出かけたかっただけだし。あの子も楽しんでたみたいだし、いい気分転換になったでしょ」
「そうか。で、リアラは?」
「そう急かさないの。ほら、リアラ」
レディが扉の向こうに声をかけると、リアラがおずおずと顔を覗かせた。なかなか入ってこようとしないリアラにダンテが首を傾げていると、彼女の背後から声が響く。
「そんなところに立ってないで、ほら」
「ト、トリッシュ!」
声をかけられると同時に背を押されたリアラはつんのめるように中へ入る。出かけた時とは違うその姿に、ダンテは目を見開いた。
「リアラ、その格好…」
「あ、あの、その…」
どう説明しようかとリアラが迷っていると、後ろからトリッシュが肩に手を置いた。
「かわいいでしょ、これ私とレディで選んだのよ。リアラの好みも聞きつつね」
「リアラはこういうのが好きなんですって。いい機会だし、今後の参考にしなさい」
「ちょっ、二人とも…!」
二人の言葉に慌てるリアラ。リアラの姿を無言で眺めていたダンテは突然立ち上がる。
「ダンテさん…?」
「ちょっと出てくる」
そう言って壁のコート掛けからコートを取ると肩に引っかけ、ダンテは三人の横を通り過ぎる。呼び止めようとリアラが口を開くが、レディがそれを止めた。
「あいつなりに何か考えてるのよ。ここはそっとしておきなさい」
「……」
音を立てて閉まった扉を、リアラは寂しそうな目で見つめた。