days to spin−白い糸と赤い糸− | ナノ
-how to choose gift‐ 3  [ 15/66 ]


「いいじゃない、すごく似合うわ」

「これなら落ち着いてていいでしょう?レースとかも付いてないし、丈も長すぎないし」

「うん、ありがとう、二人共。でも、買ってもらっちゃってよかったの?」

「たまにはいいわよ、こういう時くらい甘えなさい」

「レディの言う通りよ、少しくらい甘えたって罰は当たらないわ」

「そっか…うん、わかった」


二人の言葉にリアラは微笑んで頷く。
昼頃、突然事務所にやってきたレディとトリッシュはリアラを半ば強引に外に連れ出した。そろそろ昼食を作ろうかと思っていたリアラは突然のことに戸惑ったが、行ってこい、というダンテの言葉におずおずと頷き、こうして二人と一緒に外に出てきたというわけだ。


「でも、何でわざわざこの服に着替えていくの?」


首を傾げ、リアラは先程からずっと思っていた疑問を口にする。
今日はいくつもの服屋に入って、その度に自分の好みを二人に聞かれた。不思議に思いながらも答え、最終的に二人は自分の好みを踏まえてこの服を選んでくれたのだが、「せっかくだから今着ていきましょうよ」とトリッシュに言われ、首を傾げながらも言われるままに店で着替えてきたのだ。
二人が買ってくれたのは深い青色のワンピース。肩紐と首元で結ぶ紐が付いたそれはシンプルなデザインで、飾り気は一切ない。膝下丈のスカートはフレアになっていて、歩くとふわふわと揺れる。けれど色のおかげかすっきりして見えて、リアラはそれを気に入った。
リアラの問いに、レディはにっこりと笑う。


「決まってるじゃない、あいつに見せるためよ」

「え、あいつって…」

「ダンテよ」


あっさりと返された言葉にリアラは目を見開く。


「だ、だめだよ、昨日あんなことがあって気まずいのに…!ダンテさんに悪いよ!」

「だからよ。いい機会だし、あなたの好みをちゃんと知っておいてもらわないと。あなたばかりあいつの好みを考えて買ってるのはフェアじゃないでしょう?」

「私、そういうの気にしてないから…!」

「そういう欲のないところはあなたのいいところだけど、たまにははっきり言わなきゃだめよ?さ、行きましょ」


必死の抵抗も意味をなさず、リアラは二人に引きずられるように事務所に帰るはめになったのだった。

  
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -