-how to choose gift‐ 2
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「あんた、あの子がレースやリボンっていった女の子らしいのを好まないのはわかってるでしょう。よりによって何でそんなのを選んだのよ?」
「たまにはかわいいのを着てほしかったんだよ。あいつは似合わないって言うが、そんなことはないって言ってやりたくて…」
「気持ちはわからなくもないけど、いくら恋人からプレゼントされた服だっていっても、自分の好みに合わない服を着れると思う?相当悩んだと思うわよ、あの子」
「…だよな…」
部屋に入ってしばらく出てこなかったことを考えると、着るか着ないか相当悩んだのだろう。それに人の好意を断れない彼女のことだ、「着れない」というその一言を言うだけでも申し訳ない気持ちで一杯だったに違いない。
「あれから少し気まずくてな…リアラは自分から話しかけてくれないし…」
「当たり前でしょう、そんなことがあったならあの子のことだもの、申し訳ないと思って話しかけられないわよ」
「あー…」
どうしたらいいものかとガシガシと頭を掻くダンテに嘆息し、呆れ顔でレディは言う。
「あんた、もうちょっとあの子のことを考えてあげなさいよ。あの子があんた優先で動いてくれてることくらいわかるでしょう?」
「ああ…」
「はあ…今日は集金ついでに仕事を持ってきたんだけど、今のあんたじゃ仕事にならなそうだから止めとくわ」
ため息をつくと立ち上がり、レディは隣りに立てかけていたカリーナ・アンを背に担ぐ。玄関の扉に手をかけると、ダンテの方を振り向いた。
「あの子にちゃんと謝って仲直りしなさいよ。あんたがそんなんだと、こっちまで調子が狂うわ」
「ああ…」
深いため息をつき、ダンテは頷いたのだった。