狼とうさぎの1週間 49
「うーん、苺…全部使わないでもう少しとっておけばよかったかな。…ダンテ、大丈夫かなあ」
「私も心配…ダンテさんも若も強いけど、無茶してばっかりだから…」
ふとダンテ達を思い出した。
2人は今依頼先で悪魔と戦っているだろう。
とても強い2人だが、時折無茶するし、危ない目にあって帰ってきたりしてリアラとディーヴァをびっくりさせるのだ。
その度、心配しすぎて心臓が止まってしまいそうになる。
公共物は壊してしまっても、いつかはまた作りなおせばいい。
でも、すぐに傷が治ると言っても、死んでしまったらもう命はそこで終わり。
戻らないのである。
リアラとディーヴァは、ダンテ達さえ無事に帰ってきてくれればそれでいいのだ。
「早く帰ってこないかなぁ…」
ディーヴァがぼそっと呟きながら、テーブルの上につっぷした。
その様子にクスっと笑って、リアラは頬杖をつきアイスティーの残りをすすった。
「若がいないとやっぱり寂しい?」
「え!いや、その…うん。でもお姉ちゃんもでしょ」
「そうだね。こういう日もいいかなって思うけど、やっぱりダンテさんがいて、ディーヴァちゃんがいて、若がいないと静かすぎてちょっと寂しいね」
「うん。…そろそろお茶会もお開きにしよう?」
「じゃあ、2人が帰って来た時のために、食事の準備始めちゃいましょうか!」
そう言って2人はお茶会セットの片付けを始め、キッチンへと向った。
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