狼とうさぎの1週間 46
跡形もなく悪魔を屠ったリアラが3人の元へと戻ってきた。
もういつものリアラであり、全く恐くはない。
「リアラお姉ちゃん、お疲れ様」
「うん。それよりディーヴァちゃん、早く冷やさないとね」
リアラはまだ残っている魔力を使い、ディーヴァの火傷しているところを冷やした。
患部が凍ることなく適度に冷やされていく。
「ありがとう」
その絶妙な魔力の匙加減に若が感嘆の声をもらした。
「リアラ、魔力の使い方うめぇな…」
「そんなことないと思うんだけどなあ」
「いや、リアラは元々の才能もあって魔力の使い方はかなりの物だ。それに毎日鍛錬してるからな」
ディーヴァは冷やされていく腕を嬉しく思いながら、髭と若を茶化すように言った。
「2人も見習って鍛錬の1つでもしたらどうなの?継続は力なりってね」
「「いやだね」」
だめだわこの人達…
リアラとディーヴァは心の中でそう思うことしかできない。
リアラは苦笑を浮かべ、ディーヴァはため息を吐いて、4人は本日の依頼を終えた。
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