女の子×女の子 3

「持って来たよー」

「おう。ありがとな」

「どう致しまして」


頼まれた服を試着室のダンテへと渡す。
ふと、視線がジーンズに包まれた足のシルエットに向けられた。


「どうした?」

「あ、うん。ダンテの足綺麗だなって」

「は?」

「くびれとかもしっかりあるから、露出した方が魅せられるよね。ホットパンツに短めのトップスで谷間強調したりとか」

「は?」

「タイトスカートにストッキングも大人の女性って感じでエロくていいなぁ」

「鈴ちゃん?」

「リ○ーナとかビヨ○セ並みのプロポーションだから、そういうの似合いそう……脱いだらガーターベルトとか、いいな。あとそうだな……肉感たっぷりだから肌魅せたらそそられ……」

「鈴ちゃんストップ、ストップ」

「何?」

「忘れられちゃ困るが、俺は男だ」

「うん。でも今は魅力たっぷりの女性だよ」

「男の俺には魅力がないのか」

「……………」

「おいそんな可愛く首傾げるな。ないのか?ないって言いたいのか?」

「え……じゃあ……すっごい際どい服装するの?」

「どんな?」

「玉がぽろっといっちゃいそうな…」

「方向性が違う!」

「えー」


気の抜けた返答をすれば、ダンテがため息をついた。


「いいじゃん男の人は。シャツの胸元開けて鎖骨見せるだけで色気が出るんだから」

「女だって同じだろ?」

「それプラスシルエットを見せるだとか、谷間を見せるとか、背中を見せるとか、それ以上にテクニックが増える」

「女って大変だな」

「もしくは見せないって選択肢もある。所謂体型のカバーだよね。ふんわりとした服で可愛くみせて隠すとか」

「パッドでない部分盛ってあるように見せるとか?」

「そうそ……」


ダンテの言葉にぴたりと止まる。
相手の顔は、にやついている。
無言で腎臓に一発決めたのだった。

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