狼とうさぎの1週間 32

「茶色のうさ耳…」

思わず笑みがこぼれる。
ネロはぼそりとつぶやいた。

「ん?茶色の…なんて言ったんだ」

「坊やは『茶色のうさ耳』って言ったんだ。多分キリエの嬢ちゃんで妄想したんだろ」

髭がリアラの耳をぱくりと口に含んでからかいながら言った。
リアラが叫んだ。

「キリエって誰だ?」

ディーヴァはリアラから聞いて知っていたが、若はキリエのことを知らなかった。

「ネロのコレだ」

と髭は小指を立てて教えた。

「へー、ネロって恋人いたのか」

そのあと髭は詳しくキリエについて若に話した。
ネロがどれだけキリエを好きであるか、も詳しくだ。
自分のキリエに対する熱い想いを人から話されていい気分はしない。
ネロは恥ずかしさのあまり下を向いてプルプル震えた。

「ディーヴァちゃん、お皿移動しといたほうがよさそう」

そのネロの様子を見ていたリアラがディーヴァをちょんちょん突いた。
髭と若はまだネロの赤裸々話をしている。

「うん、わかった」

こくりと頷いて、2人はテーブルの上を片付けた。
そして片付けてすぐに、ネロが大爆発した。

「だああああっっ!!」

ネロのデビルトリガーが発動されたことにより、衝撃波が生まれた。
そして青い魔人が後ろに現れる。

「ぎゃあ!!」
「ぐほっ!!」

ネロはそのまま怒りにまかせてバスターを髭と若に叩きつけた。
やはりテーブルの上を片しておいて正解だったようだ。
ネロのバスターを喰らってぷしゅー、と煙を上げながらダンテ達は深く沈みこんだ。
それでも気が済まないネロは、髭と若の足をつかんでずるずると引きずると、

「ちょっとこいつら借りるわ」

と言い残して部屋を出ていった。

「ほどほどにね!」

「まだ残ってるから冷めないうちに戻ってきてね」

リアラとディーヴァは手を振って答えただけだった。

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