狼とうさぎの1週間 29

理由を聞いたネロはあきれ顔で髭と若を見た。
何でも自分の恋人たちにあんなことやこんなことをしようとしたらしい。
それで若は氷漬け状態だったのだ。
当然の報いだろう。
お茶を飲んで一息ついたネロは呪いについてわかったことを4人に話した。
連絡を受けてすぐリアラの父親であるゼクスと一緒に資料を探していたらしい。
ここからフォルトゥナはかなり遠い。探し物をしてた上にこれだったらネロはかなり急いで来た方だろう。
そしてフォルトゥナ城の蔵書室にあるだろうとよんでいたのだが、やはりそこに資料はあった。
だが、問題が1つあった。
見つけた資料が自分達には全く読めなかったのだ。
ただ、リアラに言われた悪魔のイラストが載っていたのでこの資料だとしか思えなかった。

「で、これがその資料な」

ネロが手荷物からとりだした資料を開ける。
そこにはポメラニアンそっくりの小さな悪魔のイラストが載っていた。

「オレが読めないし現存する言語でもないみたいだから魔界の文字かと思ったんだが、ゼクスも読めないって言ってた」

とんとんとそのイラストを指で叩き、ネロは肩を落とした。

「お手上げだぜ」

がっくりとうなだれるリアラと髭と若を残し、ディーヴァが資料と睨めっこを開始している。

「そうか…」

「ふりだしに戻る、かぁ…」

「おい、ディーヴァどうせ読めないからやめろ」

しばらくうなっていたディーヴァがぼそりとつぶやく。

「…ちょっと難しいけどあたし読めるよ」

「は?」
「え?」
「なんでだ?」
「うそだろ?」

「なんか読めるみたい。ちょっと時間かかるけど、読んでみるからかしてもらってもいい?」

理由がわからないと言ってはいるが、ディーヴァにはなんとなく理由がわかっていた。
きっとこれは天使の言語なのだろう。
こうして資料はディーヴァに託された。

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