女の子×女の子 2

女の子のダンテを連れて来たのは少し離れたところにあるショッピングモールだった。
普段バイクとなったスコルに二人で乗る時はダンテが運転し、私が後ろに乗る。
でも、いつもよりも細い腰が不安な気持ちを煽った。
帰りは私の運転にさせてもらおう。


「何買うんだ?」

「とりあえず一週間分の服かな?緊急用の服だから、ジーンズとシャツを着回せば事足りると思うよ。あと下着と靴かな?靴も一つだけで充分だと思う」


ちらりとダンテを見て、くすりと笑う。


「どうする?これを気にスカート履いてみる?」

「興味はあるけどやめとく。女装の趣味はない」

「あら残念。男の子の女装って結構好きなのに」

「誰が喜ぶんだよ」

「少なくとも私が喜ぶ」

「変態」

「お褒めに預かり光栄ってところね。あ、そうだ。呼び名考えておく?」

「何の?」

「流石に普段の名前で呼んだら違和感があるでしょ?ダンテって男性の名前だし」


むぅ、と手を口元に添えて考える。
ダンテ……Dante……D……D……Da……


「ダルメシアン!」

「おい考え直せ」

「ダ……ダルメシアン!」

「押すな!犬じゃねぇか!」

「ダ……ダルタルシア?」

「何だよその名前!もう普段通りでいいじゃねぇか!呼ばなきゃいいだけの話だろ!?」

「むぅ……」

「ほら行くぞ。服だろ。服」


落ちて来た襟元を整えて、ダンテが先に歩き出す。
普段私が着ている、ダンテのお古のシャツを貸したが、それでも大きいようだ。


「鈴」

「あ、うん」


すぐに横に並べば、女の子のダンテが小さく笑って頭を撫でた。
その手は、いつもより一回り近く小さくて、温かみは一緒なのに、違和感を感じざるを得なかった。

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