狼とうさぎの1週間 15

その夜4人でテーブルを囲み、この呪いを解く方法を考えた。
しかし、誰一人としてわからず仕舞いだった。
一番経験も豊富な髭すらお手上げ状態な始末。
問題の悪魔は全くの行方知れずであるし。
悩みこむリアラとディーヴァに若が空気を読めないセリフを放つ。

「別にいいんじゃね?」

その若の言葉にリアラとディーヴァは、ピタリと悩んでいたのをやめ、止まって若をにらんだ。

「ダンテは人事だと思ってるのね!」

「耳やしっぽをつけてたら外を歩けないでしょうに…」

「コスプレしてると考えればどうってことないだろ」

「コスプレッ…!?…リアラお姉ちゃん、殺っちゃって」

「え…いいの?」

「もちろん」

「え、ちょ、待」

リアラはディーヴァの了解を得て、スケアクロウをしとめた技を若に向けた。
威力はスケアクロウに向けた物よりはるかに強いが相手は『ダンテ』だ、死にはしないだろう。
カチーン。
冷凍若の完成だ。
髭は呆れ顔で若を氷の中から助け出した。

「お前…いつも一言多いよな。本当に俺の若い頃か?」

「うっせ」

と、そこで髭は思い出した。
自分はわからないが、知っていそうな奴がいるではないか。
自分とは違う、完全な悪魔で、自分達にも友好的な者…
トリッシュとゼクスだ。
しかしトリッシュはいつもどこにいるかわからない。
ゼクスに至っては、ここから遠く離れたフォルトゥナだ。

「あ、フォルトゥナにそういう本があるかもしれないね」

リアラが思い出したように言う。
確かにあそこならあるかもしれない。
リアラの故郷、フォルトゥナは昔スパーダが治めていた土地である。
そして彼がいなくなったあとも悪魔に関する貴重な書籍が保管されていた。
今日の悪魔に関係する内容が載った本があるとすればそこか、ヴァチカンくらいだろうと思う。

「じゃあネロに早速電話する?」

ディーヴァは受話器をあげてリアラに渡した。

「うん、ネロに頼んで父様にも聞いてもらおうかな」

フォルトゥナと連絡を取るなら、ネロに電話すればいいだけだ。
そうすれば、ゼクスとも連絡を取ることも難しくないだろう。

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