狼とうさぎの1週間 10
「からかうのはやめてよね、嘘で…」
鏡の中の表情がひきつる。
若の言う通りだ、またうさぎの耳が生えている。
「またうさ耳ぃぃぃい!?」
「ふ〜む、もしかして驚くとそうなるのか」
「ははっそりゃいい!面白いな!」
髭はディーヴァの耳を見て、冷静に分析している。
若はこれ幸いと、真っ白に放心するディーヴァの耳をふにふにと触った。
しばらく放心していたディーヴァはもうすぐ風呂からあがるであろうリアラを思い出した。
「ハッ!アイスティー作らなきゃ」
風呂あがりには水分が必要だ。
ディーヴァは急いでキッチンへと向かう。
そのぴこぴこ揺れるうさ耳のあとを、若は面白そうについてまわった。
「よし、俺も」
ニヤリと何か企んだような笑みを浮かべて、髭は行動に移った。
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