狼とうさぎの1週間 3

「RRRRR!!」

暑い暑い、と若がこぼす中、突然電話が事務所内に鳴り響いた。
とったのは目の前の指定席に座っていた髭ではなく、リアラだった。
彼女は電話のなったその瞬間、ダウンしていたことなど微塵も感じさせない動きで、水色をした風のように行動し受話器をあげた。
聴覚や気配に鋭い彼女だからこそできる芸当である。
髭もわかっていたようで、目を閉じてリアラの対応を聞き入っていた。

「なんだったの?依頼の電話?」

受話器を置いたリアラにわくわくしながらディーヴァが聞いた。
リアラはにっこりと笑みを浮かべるとダンテ達にもよく聞こえるよう声を張り上げた。

「うん、スケアクロウが大量発生だって。場所はこの先の湖のほとり」

スケアクロウ―――案山子のような姿をしていて、力は弱いが一度にたくさん現れる悪魔である。
まるで某Gのようでディーヴァは大嫌いだが、この時ばかりはこの依頼が天の恵みに思えた。

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