狼とうさぎの1週間 1

暑い夏がやってきた。
年齢も男盛りで男性としての魅力あふれるダンテと、アイスブルーの涼やかな美しさをその身に秘めた魔狼の娘、リアラの住むDevilMayCryに年若く元気なダンテと天使の血族であるディーヴァがやってきてしばらくたった。
若いダンテ―――ここではディーヴァ以外から若と呼ばれている、とディーヴァは突然この世界にやってきた異邦人である。
若は元々ここに暮らしていたダンテとは違い、まだまだ未熟な若いころのダンテだった。
でもこの世界の過去からやってきたわけではなく違う世界のダンテ、つまりパラレルワールドのダンテなのだ。
そうでなくては若がリアラを知らないのはおかしいし、反対にここのダンテがディーヴァを知らないのもおかしいことになる。
それでも自分には変わりない。
この世界のダンテとリアラはまだ年若いダンテとディーヴァを放りだすわけにもいかず、帰る方法が見つかるまで共に暮らすことにした。
ところが困ったことが1つあった。
ディーヴァ以外は全員半魔であり、彼女自身は天使の血を色濃くひいているのである。
若は長らくディーヴァといて慣れているし、ここの店主のダンテは経験の高さからか、ディーヴァの天使の力をさほど気に留めず、欲しくなるということもあまりなかった。
しかし、まだ若いリアラにとっては抗いづらいものが多少なりとあったらしく、ディーヴァはディーヴァでよく知らない半魔である名前に対し警戒していたため最初は2人とも気まずいものであった。
さらにリアラは慣れてきたとはいえ、いまだに人をすぐ信用できない部分もあるため中々打ち解けられなかったのだ。
余談だが若とは根っこの部分が同じダンテだからかすぐに慣れた。
それでも長く過ごす内にディーヴァが自分の母と同じように優しい心を持つ者だと知り、また、ディーヴァもリアラに対しての警戒を解いて歩み寄ったことにより2人は急速に仲良くなった。
2人はラザニアが好き、など好物が同じだったり、似たような性格だったりとけっこう共通する部分があったためウマが合ったようだ。
今では仲の良い姉妹のような関係となり、ダンテ達の目の癒し処である。

[ 9/130 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -