Precious Girl 2

「ほら、着てみろ」

バージルに促され、恐る恐る紙袋の中に手を入れるリアラ。

「えっと・・・二人の気持ちはすごく嬉しいんだけど・・・」

微妙な反応のリアラ。

リアラは悪魔を狩りやすいように動きやすさ重視で服を選んでいるため、普段はボーイッシュな服ばかりを好んで着ている。

しかし、紙袋に入っている服はどれもリボンが付いていたりフリフリでロリータとまではいかないものの、お嬢様系でいかにも「私は可愛い女の子!うふっ」とついついぶりっ子になってしまいそうなものばかりだった。

「わっ・・・私・・・こんな服着れないよ」

慌てて袋の中に戻す。

「何で?」

少し不機嫌なダンテ。

「何でって・・・私の趣味じゃないし、こんな可愛い服、そもそも私が着たって似合わないよ」

「それは貴様がただ着なかっただけだろう?着てみれば案外似合うかもしれんしな」

「リアラは女の子だろ?なのに、ファッションとかあんま興味ねぇし、男っぽい服ばっか着てさ。たまには女の子らしい服装でもしてみたらどうだ?」

「わっ・・・私は今のままでいい!!!だって、一応私・・・オオカミだし、やっぱり動き回りやすい方が『黙れ!!!』」

突然双子に襲われ、着ていた服を脱がされる。

「ぎゃああああっっっ」

突然の出来事にリアラはパニックになる。

「せっかく買ったんだ。着ないのは許さん!」

「服の好みで俺とバージルどっちが好きかもわかるしな!」

「ひぃっ・・・」

「ほら、これを着てみろ」

バージルは青いフリフリのワンピースを取り出す。

「やっ・・・やめ・・・わぷっ」

「あぁ、いいな。よく似合っている」

「リアラ、次はこっちだ!」

「わーっ」

今度は赤いちょっとセクシーなワンピース。

他にもカットソーやブラウス、スカート、ドレスを何点か用意していた双子は、リアラを拘束し、活き活きと服を脱ぎ着させて楽しんでいる。

リカちゃんよろしく着せ替え人形になってしまったリアラはオオカミに変身しようと試みた。

「あれ?魔力が・・・」

どれだけ意識を集中させても魔狼になれないリアラは焦る。

「残念だったな」

ニカッと勝ち誇ったように笑うダンテ。

「オオカミの姿では着せられんからな」

いたずらっ子のような表情のバージル。

「酷いっ!私の魔力奪ったわね!?」

「奪ってねぇ。少し抑えただけさ」

「我慢しろ。これで最後だ、リアラ」

最後に出てきた服は、ダンテとバージルが珍しく意見が一致したもの。

涼しげな色をした、今流行りのフィッシュテールワンピース。

「わっ・・・私、着ないからね!」

魔力を制御されてしまっているリアラはオオカミの耳と尻尾だけが出ている中途半端な姿になってしまっていた。

双子は聞く耳を持たず、最後の一着をリアラに着せた。

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