Precious Girl 1

ある日の朝、朝食の準備をしていると突然2階から双子の怒号が響いた。

「なっ・・・何?!」

ビックリしたリアラは、ベーコンエッグが乗ったフライパンの火を止め、慌てて2階に上がる。

2階に向かうと案の定、半魔の双子ダンテとバージルが仲良く兄弟喧嘩を始めていた。

「また・・・ケンカ・・・」

リアラは呆れて額に手を当てる。

「貴様の悪趣味にリアラを巻き込むな!」

「趣味が悪いのはアンタの方だろ!」

「何だと!?」

「あっ・・・あの・・・二人とも落ち着いて・・・」

胸ぐらを掴み、睨み合っている双子の間に割って入るリアラ。

ギロリとリアラを睨むように見下ろす双子。

あまりの威圧に「ひえぇっ」と恐縮してしまいそうになる。

それでも何とか冷静を装って双子と向き合う。

「もうすぐ朝ごはん出来るから、ケンカはやめて!」

しばらくして、双子は溜め息を吐きケンカを止めた。

ケンカを止めたのを確認すると、リアラは再びキッチンに向かい、朝食の準備に取りかかる。

「ダンテー!バージルー!出来たよー」

一つのテーブルに三人向かい合って一緒に食事をする。

そんな些細なことがリアラにとっては唯一の楽しみで幸せなことだった。

「今日は何のケンカをしていたの?」

「リアラにさ、可愛い服を買ってやったんだけどよ、バージルがケチつけるんだ」

「あんな露出の多いものダメに決まってるだろうが!もう少し品のあるものを選べ、愚弟が!」

「アンタの選んだ服こそ何だよ、フリフリだし、装飾だらけで着にくそうだろ!しかもあんな服、襟元が苦しくて息詰まっちまうよ」

「貴様が選んだ品のないデザインの服もフリフリだっただろうが!」

「え?え?あの・・・ちょっと待って・・・」

全く話がついていけないリアラは頭に?をたくさん浮かべている。

「この際、本人に直接着せてみてどれが似合うか見たらいいんだよ!」

「そうだな、少し待っていろ」

バージルはフォークとナイフを起き、2階に向かった。

少ししてブランド店の紙袋の山を持って現れたバージル。

その量にリアラはギョッとした。

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