少しオトナな休日デート 3

「動物園に、カフェに、メトロポリタン美術館…いっぱい見るところがあるんですね!」

セントラルパークの案内図をキラキラした目で見るリアラ。
下準備の際にある程度下調べ調べしておいたはずだが、ダンテ自身ここまで充実している公園だと知らなかったのか、2人は顔と体をぎゅうぎゅうに寄せ合って案内図を覗いていた。

「公園を抜けて西に少し行けば自然史博物館もあるな」
「博物館!…あ、お城もある!」

セントラルパークにある城といえばベルヴェデーレ城のことだが、リアラにとっての城は故郷の城。
こういう場所に父様や母様と来た思い出はあまりない。

家族で行ってみたかったな…。

思い馳せるのは家族のこと。
僅かながらその表情が曇ったのを、ダンテは見逃さなかった。

「どうかしたか、リアラ?」

ハッとして顔を上げる。
そこには心配そうにこちらの顔を覗き込むダンテが。

いけない。
今はダンテさんのことだけ考えよう、せっかくのデートなんだから!

「なんでもないです。それより1日じゃ全部回れないですね。いつの日か全て行ってみたいですけど」
「また休みとって、時間かけてひとつひとつデートして回っていこうぜ」
「はい、ぜひ…!」

そのいつの日かが今からとても楽しみだ。

「とりあえず…今日はこっちのデートだ」

ダンテもリアラもニコニコと笑いあって、木漏れ日あふれる森の小径を並んで歩いた。

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