少しオトナな休日デート 2

2人がまず向かったのは、緑豊かなセントラルパーク。

「まずはマンハッタンで一番緑が多いここでゆっくりしたいんだが、いいか?」
「わぁ…!都会とは思えない広さの公園ですね。こんな素敵な場所ならいくらでも!」

コンクリートジャングルの中に現れた広大な公園に、リアラが感嘆の声を上げる。

「よかった。リアラはビルばっかりのゴミゴミしたところより、こういうところのが好きだろ?」
「はい!」

いい笑顔だ。
この笑顔が見れただけでも、連れてきた甲斐があるというもの。
ダンテは、眩しそうに笑って、リアラを公園の中へと案内した。


冬とはいえ昼間の日差しは暖かく草原に射し込む。
休日だからか、家族連れやカップル達もピクニック等をそれぞれ楽しんでいた。

そんな楽しそうな人々を目にしながら、ダンテもリアラも思う。
この人達の笑顔が曇らせないためにも、悪魔が悪さをしない世の中がくればいいのに、と。

「ついてる」
「!?」

と、その時リアラの鼻の頭にダンテの指が触れた。
悪戯っぽく笑うダンテと、その指の先を見ればアイスクリームが。

今、2人は途中でワゴン販売をしていたアイスクリームとホットドッグを昼食に、ストロベリー・フィールドを進んでいるのだが、リアラの食べているアイスクリームが、鼻についていたようだ。
それをぬぐい、ダンテはその指をぺろっとなめた。

「ん、美味い。俺もアイス食いてぇな」

リアラはアイスクリームを食べているが、ダンテはホットドッグを食べていたのだ。
ホットドッグを食べ終えた甘党ダンテは、今度はデザートを御所望の様子。

「リアラ、そのアイスくれよ」

ぺろり。
くれと言いつつ、言い終えるその前にダンテはリアラの持つアイスクリームを舐めあげた。

「ごっそーさん、ありがとな」

そのまま逃げるように離れてしまうダンテ。

「ダンテさん…もうっ!」
「ハハハ!ここは広いからな、早く行くぞ」
「待ってくださいよ!」

…恥ずかしかった。
アイスクリーム越しとはいえ、間接キッスだと言うことに気がついたリアラは、顔を赤くしながらダンテの後を追った。

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