我が家に来たお犬様。 3

「うああああ重い重い重い重い!!」


急に自分の体に何か重い物が乗ってきた。
じたばたと足を動かしていると、すっ、と重さが無くなった。
自分の上に何が乗っていたか確認しようとすると、


「やっと話せた、名前」


銀髪蒼眼、整った顔立ち…
"Devil May Cry"のダンテがそこにいた。
名前を呼べば、嬉しそうに微笑んだ。


「良かった、魔力が戻ってきたみたいだ」

「へ、あ、う、え?」


何コレ?
えダンテが?私の家に来て?
魔力がうんぬんって…は?


「うん名前の上に大量の?マークが見える」


よしよしと頭を撫でてくれるダンテの手はあたたかくて、心地よくて…


「ッじゃなくて!ダンテは?!」


きょろきょろと見回すが、そこに犬のダンテの姿はなく。
消えてしまったとか、そんな非科学的な事まで考えてしまう。


「…あぁ、それは俺だ」

「…ハイ?」


ほら、と自分の頭を指差す。
確かに、ダンテの頭の上にはぴこぴこと動く犬耳と、お尻の方にはふさふさした尻尾。


「どういう…ことなの…」


今にもログアウトしそうな意識を無理矢理保ち、ダンテに問いかける。


「あー、まぁ説明すると長くなるんだが…」


ゲームの世界…Devil May Cryの世界では、ストーリー以外の時間も進んでいるらしく、私がプレイしているゲームのDevil May Cryのストーリーはある一時期の出来事を繰り返し画面に写し出しているだけらしい(ダンテ談)。
……恐らく、ダンテが居なくなったからゲームが起動しなくなったんだろう。


「って信じられるかぁああぁぁああぁぁあ!!!!」

「お、大きい声出すなよ!」

「だって犬耳はどっから来たのさ?!」


んー、と考えるような素振りを見せる。


「あ、そういや雨に打たれてた子犬を家に連れて帰ろうとコートの中に」

「可愛いなチクショウ!!」


次元を超えたときに合体しちゃったってか?!
もういいよ何でも信じるよ!!!
机をダンッと叩き、反対側にいるダンテの方に身を乗り出す。
ダンテはびっくりしたような顔をすると、ニッコリと笑みを返してきた。


「…でも、今は可愛いだけのワンコじゃないんだぜ?」


私の首筋を彼の指がなぞる。
空を思わせる蒼い瞳に吸い寄せられるようにして顔が近付く。
あともう少しで触れる、と思ったその時、


「も、もう無理!!」


思わず右手で平手打ちをしてしまった。


「痛ってぇ!!」

「イッ、イキなり何すんの!!」


顔に集まる熱を感じながら、肩で息をする。


「いや、これからお世話になるから少しでも俺の事を知ってもらおうと」

「はぁ!?」


彼から告げられた衝撃的な言葉に、声が裏返る。


「いや向こうに帰ろうにも帰り方わからないし」

「じ、じゃあ悪魔はどうするの?!」

「んー、まぁトリッシュが居るから大丈夫なんじゃないか?」


こいつはまた…!
イケメンと二人暮らしになる(であろう)私の気持ちにもなってみろよ!!
鼻血ヤバいだろ!!!


「これからよろしく、御主人様<マスター>」


私の人生、どうなっちゃうんでしょうか。



(拾ってくれたあの時)
(温かい手に、酷く安心した)
***
『かに玉。』のたまごねこ様から相互リンク記念小説を頂きました。
初代でお願いしたんですが、初代かわいい…!かわいすぎる…!
銀色の毛並みの大型わんこで、鼻くっつけると戻る(だけど犬耳・尻尾つき)とか…!私の好みどストライクです!
しかもゲームの世界から出てくる前に雨に濡れた子犬を拾ってるとか…!優しいよ、初代!
最後の『ご主人様(マスター)』は反則です、そんなこと言われたらうんって言うしかないじゃないですか…!(笑)
もう、あのままキスしてくれてよかった(←ヲイ)
たまごねこ様、ありがとうございました!
改めて、よろしくお願いします。

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