もしも、 3

「おいしい…!」

「でしょ?私、ここのストサン好きなんだー」


あれからシンディの店にやってきた俺達は、お決まりの席に座り、ストサンを注文した。リアラも同じものを注文し、注文したものがくるまで、たわいもない話をする。
やがて注文したものがやってくると、ダンテは目を輝かせ、すぐに食べ始めた。ダンテに急かされてリアラもストサンを口にし、感嘆の声を上げる。
女の子は甘いものが好きだと言うが、彼女も例に漏れず、らしい。ダンテ同様、控え目にだが目を輝かせた彼女がかわいらしく見える。


「リアラもストサン好きなのか?」

「ストロベリーサンデーっていうより、苺が好きかな。甘酸っぱくておいしいから」


でも、これおいしいね、と言い休まずストサンを口に運ぶ彼女に思わず笑みが溢れる。
ふいにストサンを運ぶ手を止めて、ダンテがリアラに尋ねた。


「ねぇねぇ、リアラって好きな人とかいるの?」


これはまた唐突な質問だ。だが、それを不快に思ったりしないのか、リアラは律義に答える。


「ん?うーん…今のところはいないかな」

「じゃあ、どんな人がタイプ?」

「タイプ?うーん…。優しい人がいいかな」


理想としてはよくあるであろうタイプをリアラが述べると、ダンテはうんうんと頷き、どんどん質問をぶつける。


「じゃあさ、歳は?気にしたりする?」

「歳?うーん…。年下は恋愛対象として見れないかも」

「じゃあ同い年か年上ってことだね!」

「う、うん」

「ダンテ、質問が多すぎる。リアラが困ってるだろ」


勢いに押されている彼女がかわいそうでダンテをたしなめると、ダンテはえー、っと頬を膨らます。
リアラがふるふると首を振った。


「鈴君、いいの。けっこう楽しいから」

「本当に?」

「うん。こうやって人と話すことってあまりないから」


そう言って笑うリアラに、ああ、と納得する。
そういえば、彼女はあまり自分から人に話しかけなかったな。


「ダンテと話してると退屈しなさそうだね。いつも楽しそう」

「本当?嬉しい!じゃあまた今度、こうやっておしゃべりしようよ!」

「うん。じゃあ今度、ケーキのおいしいお店教えてあげるね」

「本当!?」

「うん」


目を輝かせるダンテに、リアラも楽しそうに笑う。
何か、いいな。こういうほのぼのしてるの。
俺がそう考えていると、ダンテが両手で頬杖をつきながら、リアラに言った。

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