もしも、 2
「でも、その…」
モゴモゴと言い辛そうに言葉を濁しながら、リアラは続ける。
「デート、なんじゃないの?」
おい待て、これはデートに入るのか。俺としてはデートの内に入らないぞ。
そう心の中でツッコミを入れていると、ダンテは楽しそうに答える。
「大丈夫、大丈夫!それに、私リアラとおしゃべりしたいし!」
なかなか話す機会ないでしょ?とダンテが言うと、リアラは頷く。
「まあ、確かに…」
「ね?せっかくだし一緒に行こうよ!」
いいよね、鈴?とダンテに首を傾げて尋ねられ、俺は頷く。
「ああ。ダンテもこう言ってるし、リアラがよければどうだ?」
ダンテがそうしたいというなら断る理由はないし、彼女なら他の女子と違って冷やかしたり、噂しないタイプだから安心できるし。
リアラは口元に手を添えて考える仕草を見せた後、控え目にこくりと頷いた。
「じゃあ…お言葉に甘えようかな」
「うん!じゃあ行こ!」
こうして俺とダンテ、リアラという珍しいメンバーでストサンを食いに行くことになった。
[ 52/80 ][*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]