何もかもが上で 7

夕暮れの中、二人は事務所への道を歩いていた。


「すっかり暗くなっちゃいましたね…」

「ああ。悪魔が出ないとも限らないし、急ぐか」

「はい」


ダンテの言葉にリアラは頷くと、彼の方を見上げて言った。


「ダンテさん」

「ん?」

「今日は、いろいろとありがとうございました」


そう言い、リアラはぺこりとお辞儀をする。
服や靴を見るのに付き合ってもらって、昼食と夕食をご馳走になって。
あまりにいろいろとしてもらって何だか申し訳なくて、せめてものお礼にとリアラはお菓子を作る約束をした。あまり時間をかけて作れないため、今日は短い時間でできるマドレーヌにした。
なので、リアラの手には服と靴の入った紙袋が一つずつ、お菓子の材料が入った袋が一つある。


「帰ったらすぐにお菓子作りますね」

「ああ、楽しみにしてる」


ふわりと笑うリアラにダンテも優しく微笑み、頷いた。

[ 47/80 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -