何もかもが上で 2
2階へ上がり、ダンテの部屋の前に来ると、リアラは扉をノックする。
「ダンテさん、朝食の準備できましたよ」
中に向かって呼びかけるが、返事は返ってこない。
再びため息をつくと、リアラは扉を開ける。扉の隙間から、ベッドの上でシーツにくるまった塊が見えた。
部屋の中に入ると一直線にベッドに向かい、リアラはシーツにくるまる塊を揺さぶった。
「ダンテさん、起きてください。ご飯できてますよ」
「んー…」
リアラが呼びかけるとダンテの眠たそうな声が返ってくる。
だが、その声にリアラはぴたりと動きを止めた。
(あれ?ダンテさんってこんなに声高かったっけ…?)
それに、触れている部分がやけに柔らかいような…。
リアラがそんなことを考えていると、ふいに身体が傾いた。
「ひゃっ!?」
突然のことで身体を支え切れず、リアラはベッドの上に倒れ込んだ。
どうやらダンテが腕を引いたらしく、リアラはダンテと向かい合う形になる。
(え、え、え!?)
リアラは目を見開く。目の前にいるダンテは、いつものダンテではなく…なぜか女性の姿をしていた。
サラサラの銀髪に長い睫毛に縁どられた瞼、普段よりふっくらとした唇。 身体は女性特有の曲線を描き、シャツの隙間から豊かな胸の谷間が覗く。
びしりと固まってしまったリアラを他所に、ダンテはリアラを抱き寄せる。
「んー、もうちょっと…」
豊かな胸に顔を寄せる形になってしまい、いろいろと限界を突破してしまったリアラは震えながら叫ぶこととなった。
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