何もかもが上で 1

朝、陽の光が射し込む中、リアラはキッチンに立っていた。
絶妙なふわふわ加減で出来上がったオムレツをフライパンから皿へと移す。それにウィンナーを添えると、いつも食事の時に使っている事務所のテーブルへと運ぶ。
サラダやトーストなども運び、最後にカフェオレを運んだところで、リアラは上を見上げる。


「まったく、まだ起きないのか」


リアラが見ているのは二階のダンテの部屋。
自分が来るまでは昼まで寝ていたという彼に呆れて、「もうちょっと早く起きてほしい」と無理矢理に言って起きるようにしたのはもう1ヶ月も前のことだ。
それでも、今の時間を考えれば遅い方だと思う。
9時なんて、自分ならとっくに依頼を探しに行っているところだ。
昨夜依頼から帰ってきて、「眠いから寝る」と言ってすぐに寝てしまったダンテだが、見たところ怪我をしていなかったし、本当に眠かっただけなのだろう。なら、今起きても問題ないはずだ。
ため息をつき、リアラはエプロンを外してソファに置くと、2階への階段を上がって行った。

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