2様編 1
「ただいまー…」
ぐったりした様子で扉を開け、雪菜は部屋に入る。
廊下を通り、居間へと入ると、ソファの上のクッションに白い小さな塊が丸くなって眠っていた。雪菜は目を瞬かせる。
(珍しい…私が帰ってくるまでダンテが寝てるなんて)
普段は「ただいま」と声をかければ、すぐ玄関にやってきて迎えてくれるのに。
(まあ、よく寝てるみたいだし、起こさなくてもいいかな)
無理に起こすのはさすがにかわいそうだ。白い猫―ダンテの背中を優しく撫でてから、雪菜は自室へと戻る。
「あー…疲れた…」
鞄を椅子の上に置き、部屋着のワンピースに着替えてから、雪菜はベッドに倒れ込む。
(明日は休みだし、ご飯は後でもいい…かな…)
後のことを考えている内に眠気が襲ってきて、雪菜はそのまま目を閉じ、眠りについた。
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