‐『番犬』編‐ 7

力の差は圧倒的だった。 数十対一人とはいえ、悪魔を狩ることを生業としていたリアラにとって下級悪魔は相手にならない。
素早い動きで悪魔との距離を詰め、鉤爪で切り裂く。背後から迫ってきた悪魔には振り向かずに銃を向け、撃つ。その戦いぶりはまるで、ダンスでも踊っているかのようだ。
十分も経たない内に悪魔の数は急激に減り、残るはメガ・スケアクロウ一体となっていた。


「あとはあんただけね」


リアラがそう言うと同時に、奇声を上げ、メガ・スケアクロウが爪を振り上げる。それを鮮やかな身のこなしでかわし、リアラは銃を構える。


「さようなら」


魔力を込めて銃の引金を弾くと、至近距離で放たれた弾がメガ・スケアクロウを貫く。金切り声を上げ、メガ・スケアクロウは砂となって消え去った。


「おっと」


本体が消えてから落ちてきた巨大な刃を避け、刃も砂となって消え去ったのを見届けてから、リアラは息をつき、銃をスカートの中のホルスターに仕舞う。


「また服が汚れちゃった…」


自らの纏うメイド服に視線を落とし、リアラはため息をつく。
戦闘により、悪魔の体液で服は汚れ、悪魔の攻撃がかすったためかスカートの裾はところどころ裂けていた。


(替えがあるからいいけど…。新しいの貰わなきゃ)


本当ならこの服で夜の仕事をしなければいい話なのだが、今はメイドが本職なので、この服で仕事をしている。


「さっさとお風呂入ろう…」


そう呟き、リアラが屋敷へと踵を返した、その時。

[ 24/80 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -