‐一日編‐ 2

屋敷の一角、とある一室。
カーテンの閉じられた窓。わずかな隙間から朝日が射し込み、窓際にあるベッドに降り注ぐ。光の降り注いだベッドの上で布団に包まれていた塊が身動ぎし、小さく声をもらした。


「んん…」


塊が声をもらしたと同時にベッド脇にある小さな棚の上に置いてある時計がジリリリ、と騒がしい音を鳴らし始める。布団の中からすっ、と腕が伸びて時計のアラームを止めた。
布団に包まれていた塊が身体を起こす。サラリ、とアイスブルーの髪が流れる。


「んんー…」


腕を後ろで組んで背伸びをすると、ベッドから降り、もう一つの窓に近寄る。カーテンを開け、窓から射し込む朝日を全身に受けると、その人物は口を開いた。


「うん、今日もいい天気」


そう呟いたのは、この部屋の主でこの屋敷で働くメイド―リアラである。
現在、朝の5時半ちょっと過ぎ。リアラにとってはいつもと同じ起床時間だ。


「さて、と、そろそろ準備しなきゃ」


そう呟き、リアラは支度を始めた。

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