幼なじみ振り向かせ大作戦! 5

真夜中、アリスは自室で手の中にあるネックレスを見つめていた。ダンテにプレゼントしようと買ったものだ。


(結局、『妹』にしか見られてなかったんだな…)


アリスは大きなため息をつく。
確かに自分も小さい頃は、ダンテを『友達』としか見ていなかった。だが、ダンテがいなくなって言い知れない寂しさを感じたあの日、初めて気づいた。自分はダンテが好きなのだ、と。
だから、20歳になって住んでいた町を飛び出した。あてなんてない。それでも探したかった。そして一年前、ようやく手がかりを手に入れ、ここにやってきたのだ。
会えた時は本当に嬉しかった。やっと会えた、とそれだけで頭がいっぱいだった。本当のことは言えなかったから、「仕事を探してここに来た」とダンテに告げ、「なら、住む場所が見つかるまでここに住めばいい」という彼の言葉がきっかけでここに住み始めたのだ。


(気持ちも伝わらなかったし、ダンテもああ言ってたんだもの…これ以上ここにいてもしょうがないよね)


アリスの目からポロリと一滴、涙が零れ落ちた。

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