幼なじみ振り向かせ大作戦! 3

一方、買い出しを終えたアリスは市場を見ながら帰り道を歩いていた。


「ダンテ、今日も気づいてくれなかったな…」


はぁ、とアリスはため息をつく。今日は滅多に着ないお気に入りの白いワンピースでおしゃれをしたのに、ダンテは何も言ってくれなかった。いや、気づいていて何も言わなかったのか。


「私、見向きもされてないのかな…」


再びアリスがため息をついたその時、視界の隅で何かがキラリと光った。


「?」


アリスが顔を上げて横を見やると、小さな露店に様々なアクセサリーが並べられていた。こちらに気づいた店の女性が話しかけてくる。


「よかったら見ていってください。指輪とかネックレスとか色々ありますよ」


何となく気になったアリスは店の前にしゃがみ込む。床に敷いた黒い布の上にシンプルなものから少し凝ったものまで、様々な種類があった。


「これ、全部シルバーアクセサリーなんです。私が作ってます」

「へー、すごいですね」

「ありがとうございます」


女性と話していたアリスは、ふとあるものに目を留めた。
少し細めのシルバーのプレートに縦横に黒いラインが交差して入っており、右下の端に透明な石が嵌め込まれているネックレス。ふと、ダンテに似合いそうだな、とアリスは思った。


「すみません、これください」

「ありがとうございます」


小さな紙袋に入れてもらったネックレスを受け取り、アリスは歩き出す。


(ダンテ、喜んでくれるといいな)


ふふっと笑みを溢しながら、アリスは帰り道を急いだ。

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