瑠璃と碧 13
「リアラ!おい、大丈夫か、リアラ!」
ダンテが呼びかけても、リアラは荒く息を繰り返すだけで答えない。
リアラの足は酷い状態だった。炎を、ましてや悪魔の魔力を纏ったものをまともに足に受けたためか、膝から下にかけて皮膚は焼け落ち、肉まで焼けてしまっていた。
「主!」
ケルベロスが走り寄った時、リアラの身体がポウ、と光を放ち、デビルトリガーが解除された。
ダンテはケルベロスに向かって叫ぶ。
「ケルベロス、どうすればいい!?」
「主はお前と同じ半魔だ、しばらくしたら治るだろうが…主は炎が苦手だ。治りは普段より遅い」
そう言い、ケルベロスはリアラを見る。
半魔の治癒力の高さゆえ、すでに再生し始めているが、やはり普段より速度が遅い。
「とにかく、事務所に戻るしかあるまい。ここにいても何もできぬ」
「っ…」
ギリッ、と唇を噛みしめると、ケルベロスの言葉に従い、ダンテはリアラを抱き上げてその場を後にした。
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