瑠璃と碧 11

ケルベロスと協力したことにより、10分程でスケアクロウの群れを倒した。リアラは辺りを見回す。


(残ってる奴はいないわね)


残ったスケアクロウがいないことを確認すると、リアラは最後の一体であるヘル=プライドと戦っているダンテの元へと駆け寄ろうとした。
その時。

ゴウッ

「!」

「主!」


音と共に自分に近づくものに気づき、リアラは飛んでよける。それと同時に火柱が駆け抜けていき、地面を焼き焦がした。
リアラが炎のやってきた方角を見ると、暗闇からのそりのそりとゆっくりした足取りで悪魔が現れた。巨大なトカゲのような姿をした悪魔で身体の至るところが燃え盛っている。ギョロリ、と悪魔の赤い目がこちらを見た。


(サラマンダー、ってやつか…)


武器を構えたまま、リアラはゆっくりと距離を取る。
氷結属性の自分やケルベロスは火炎属性が苦手だ。炎と氷。相性が悪い。
ケルベロスを見やると、ケルベロスも距離を取って様子を窺っていた。


(炎を纏っている限り近づけないし…あいつ自身に氷を溶かさせて、水をかけるしかないか)


リアラがそう考えていると、サラマンダーが口を開いた。ゴウッ、と音を立てて炎の塊が吐き出される。
素早くよけると、リアラはケルベロスにテレパシーで呼びかける。


『ケルベロス、あいつに氷をぶつけてわざと溶けさせて!水を被って炎が消えた瞬間を一気に攻める!』

『承知した!』

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