瑠璃と碧 9
「ここか?」
「うん」
依頼主の家から20分ほど行ったところに、その屋敷はあった。
依頼人いわく、以前の持ち主からいわく付きで貰ったのだが、その『いわく付き』というのが、悪魔が来るという意味だったらしく、それを知らなかった依頼人が困り果て、自分達に頼んだらしい。
屋敷の敷地内に入ってすぐ、リアラが目を細める。
「たくさんいるわね…」
敷地に入っただけで感じる悪魔の気配。一体二体、という数ではない。ざっと30体はいるだろうか。
「いいじゃねえか、狩りがいあるぜ?」
「だからって油断しないでよ?何があるかわからないんだから」
リアラがダンテに注意していると、リアラの足元にいたケルベロスがリアラの脚に身体を擦りつけた。
「主、どうする?」
「そうね…数が多いから、武器になってもらうよりはその姿で戦ってもらった方がいいかも。必要な時は指示を出すわ」
「承知した」
頷くと、ケルベロスの回りを冷気を纏った風が吹き、瞬く間に本来の姿に戻る。とはいえ、大きさは大型犬のままだ。
「大きさはそのままでいいの?もう少し大きくしてあげられるよ?」
「心配ない。こちらの方が小回りが利く」
「そっか。わかった」
リアラは腕につけているレイザードを発動させる。すでに周りには、悪魔達が集まり始めていた。
「さて、行きますか」
「さっさと片付けようぜ!」
「同感だ」
それぞれ言うと、リアラ達は悪魔の群れに飛び込んだ。
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