瑠璃と碧 8
次の日、早く起きたダンテと一緒に朝食を取ったリアラは、キッチンで朝食の後片付けをしていた。リビングではダンテがソファに座ってくつろいでおり、ソファの下にはケルベロスが寝そべっている。
ダンテは退屈そうに天井を見上げる。
「あー、暇だなー…」
暴れてぇ、と物騒なことを呟いたダンテに、リアラはため息をつきながら言う。
「暴れるなら、依頼が来てからにして」
「んなこと言ったって、依頼来ねぇじゃん」
「いつものことです。そんな頻繁に来ません」
この事務所では2、3日依頼の電話がこないのなんてよくあることだ。酷い時は一週間こなかったこともある。
ただでさえ悪魔絡みの依頼は少ないというのにダンテが選り好みするものだから、彼が受けない依頼は代わりにリアラが受けているのだ。
「代わりにストロベリーサンデー作るから我慢して」
「!作ってくれんのか!?」
「それでいいならね」
リアラがそう言うと、ダンテの瞳が輝く。
「いい!うまいの頼むぜ!」
「はいはい」
子供のようにはしゃぐダンテに苦笑しながら、リアラが皿を吹き終えた、その時だった。
ジリリリリン!
電話の音が鳴り響き、リアラは急いで受話器を取った。
「DevilMayCry?」
時々相づちをうちながら数分話した後、リアラは受話器を置いた。期待の眼差しを向けながら、ダンテが尋ねる。
「依頼か?」
「うん、そう。町外れの屋敷に悪魔がたくさんいるから退治してほしいって」
行くんでしょ?とリアラが尋ねると、ダンテはニヤリと笑みを浮かべる。
「当たり前だろ!」
「決まりね。なら、私も準備するわ」
「リアラ、依頼終わったらストサン作ってくれよ!」
「そんなに食べたいの?仕方がないなあ…」
ちゃっかりストロベリーサンデーを要求してくるダンテに呆れながら、リアラは依頼に行く準備を始めた。
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