上手くなった理由(わけ) 6

「…うまい」


口に含んだ瞬間、苺の酸味と甘味が広がり、ふわりと消えてなくなる。
黙々とデザートを口に運ぶダンテを見て、リアラは微笑む。


「よかった、上手くできて」


ちょっと心配だったんです、とリアラは言う。


「いや、本当にうまいよ。こういうのもいいもんだな」


ダンテが笑って返すと、リアラは嬉しそうに笑ってから、自分の分に手をつける。


「ん、おいしい」


一口食べて、幸せそうに笑うリアラを見ながら、ダンテはグラスの中をストローでかき混ぜる。透明な液体が鮮やかな赤に染まる。
ストローに口をつけて一口飲むと、「うまい」とダンテは言った。


「ふふ、喜んでもらえて嬉しいです」


リアラもダンテと同じようにグラスの中をストローでかき混ぜると、ストローに口をつけた。
そうして、二人はしばらく甘いものによる幸せな時間を過ごした。

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