Animal Knight 19

髭と若に連れられ、リアラとディーヴァは夜道を歩いていた。恋人を守るように髭はリアラの肩に、若はディーヴァの腰に手を回している。
それを少し恥ずかしく思いつつ歩いていると、二人が足を止めた。


「ここだ」


髭の言葉に、二人が顔を上げると、


「わ…」

「すごい…」


目の前に広がっていたのは、たくさんの薔薇だった。赤、ピンク、白…色とりどりの薔薇が咲き乱れている。
感嘆の声を上げる二人に、髭と若が説明する。


「前に散歩に行った時に見つけてな、どうやら近くの家でやってる薔薇園らしい」

「無料で開放してるらしいぜ?すごいよな」

「もしかして、ここに来たかった理由って…」


気づいたようにリアラが言うと、ああ、と髭は頷く。


「お前達にこれを見せるためさ」

「二人に感謝の気持ちを込めて、さ」


お互いに頷きあうと、髭と若は声を合わせて言った。


「「いつもありがとう」」

「ダンテさん…」

「ダンテ…」


呟くと、リアラとディーヴァは嬉しそうに笑った。


「私達のところに来てくれてありがとう」

「二人が来てから、賑やかで毎日楽しいよ」

「リアラ…」

「ディーヴァ…」


髭と若は目を見開くと、二人と同じように嬉しそうに笑った。


「とりあえず、中に入るか」

「うん!」

「俺、案内してやるぜ!」

「じゃあ、せっかくだから頼もうかな」


それぞれ笑みを浮かべながら、四人は薔薇園に足を踏み入れた。

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