Animal Knight 19
髭と若に連れられ、リアラとディーヴァは夜道を歩いていた。恋人を守るように髭はリアラの肩に、若はディーヴァの腰に手を回している。
それを少し恥ずかしく思いつつ歩いていると、二人が足を止めた。
「ここだ」
髭の言葉に、二人が顔を上げると、
「わ…」
「すごい…」
目の前に広がっていたのは、たくさんの薔薇だった。赤、ピンク、白…色とりどりの薔薇が咲き乱れている。
感嘆の声を上げる二人に、髭と若が説明する。
「前に散歩に行った時に見つけてな、どうやら近くの家でやってる薔薇園らしい」
「無料で開放してるらしいぜ?すごいよな」
「もしかして、ここに来たかった理由って…」
気づいたようにリアラが言うと、ああ、と髭は頷く。
「お前達にこれを見せるためさ」
「二人に感謝の気持ちを込めて、さ」
お互いに頷きあうと、髭と若は声を合わせて言った。
「「いつもありがとう」」
「ダンテさん…」
「ダンテ…」
呟くと、リアラとディーヴァは嬉しそうに笑った。
「私達のところに来てくれてありがとう」
「二人が来てから、賑やかで毎日楽しいよ」
「リアラ…」
「ディーヴァ…」
髭と若は目を見開くと、二人と同じように嬉しそうに笑った。
「とりあえず、中に入るか」
「うん!」
「俺、案内してやるぜ!」
「じゃあ、せっかくだから頼もうかな」
それぞれ笑みを浮かべながら、四人は薔薇園に足を踏み入れた。
[ 62/220 ][*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]