Animal Knight 15

「ん…」


ゆっくりと目を開けると、見慣れた天井が映った。
数度瞬きをすると、リアラはゆっくりと辺りを見回す。どうやら自分の部屋のようだ。
その時、左頬に温かさを感じてリアラが首を傾けると、猫の姿の髭が丸くなって眠っていた。


「ダンテ、さん…」


リアラが小さな声で名を呟くと、銀色の耳がピクリと動き、髭がゆるゆると目を開けた。そして、安心したように息をつく。


『リアラ…』

「ダンテさん、私、あの後…」


髭はお座りの体勢を取ると、リアラに事の次第を話した。


『あの後、お前は気を失っちまってな、急いで家に連れて帰ってきたんだ。それで、ディーヴァに頼んで怪我を治してもらった』

「怪我…」


ふと思い出して、リアラは左足を触る。弾が貫通していたはずの場所には穴はなく、元通りになっている。
ディーヴァは怪我を治す能力を持っている。怪我の部分に手をかざし、集中することで相手の怪我を治せるのだ。


「そっか、ディーヴァが治してくれたんだ…」


後でお礼言わなきゃ、とリアラは呟く。


『今は疲れて眠ってるから、後にしてやれよ』

「うん」


リアラが頷くと、髭はリアラの頭にポン、と手を置く。


『まだ辛いだろ。もう少し寝とけ』

「ん…」


再び頷いた後、少し思案するしぐさを見せて、リアラは布団から手を出して、髭を手招きする。
髭が首を傾げながらも近寄ると、リアラは布団を持ち上げてこちらに向かって腕を差し出す。意図を読んだ髭は布団の中に入ると、リアラの横にゴロリと寝そべる。
それに嬉しそうに笑うと、リアラは髭をぎゅっと抱きしめ、眠りにつく。甘えるように頬を擦り寄せ、髭も眠りについたのだった。

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