Animal Knight 10

忙しい時間帯を過ぎ、日もすっかり暮れた頃、リアラは店長と共に店の片付けをしていた。
明日すぐに使えるようにカットルームを掃除し、売り場の床を拭く。
拭き掃除をしている間も、動物達が話しかけてくる。


『リアラ、もう帰っちゃうの?』

「そうね、もう少ししたら帰るわ」

『寂しいよー…』

「また明日来るから、そんなに寂しそうにしないで」


リアラが苦笑していると、店長がこちらに向かって歩いて来た。


「リアラちゃん、ちょっといいかな?」

「あ、はい」


リアラが振り返ると、店長が話し始めた。


「さっき家から電話が来てね、うちの犬が調子悪いらしくて、病院に連れて行かなきゃならなくなったんだ。だから、店の戸締まりをお願いしたいんだけど…」

「そうなんですか、心配ですね…。でも、私でいいんですか?」

「ああ、リアラちゃんなら安心して頼めるからね」


こう言われては断れないし、自分としても、早く店長をペットに会わせてあげたい。
リアラは頷く。


「わかりました、私が責任持って戸締まりしておきますので、店長は早くその子のところに行ってあげてください」

「ありがとう、リアラちゃん」


じゃあ頼むね、とリアラに店の鍵を渡し、彼は急いで店を出ていった。


(大したことがないといいけど…)


店長のペットの身を案じながら、リアラは掃除を再開した。

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